東京外かく環状道路(外環道)について
1966年7月、高架式の外郭環状道路の都市計画決定が行われましたが、沿線各地は良好な住宅地として発展しつつあり、住民による強烈な反対運動が起こりました。また、当時の社会状況として日本各地に公害問題が噴出していました。
こうした状況の中で外環道は道路計画は一向に進まず、計画は足踏みしました。
その後1970年に外環道の一時工事中止が決定しました。
しかし、2000年5月に「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」が成立。これにより以前の計画であった高架式ではなく「大深度地下」(地下40メートル以深)による外環道工事が再び動きだしました。
2001年1月に石原慎太郎都知事(当時)と扇千景国交相が揃って三鷹市、武蔵野市の現地を視察しました。反対する住民の前で「構造などについては地元の意見を尊重するが、ルートは変更しない」と語り、その後は瞬く間に具体化していき、2012年9月に東京外かく環状道路着工式が行われ、建設が始まりました。
現在開通している東京外かく環状道路は、東京都練馬区大泉JCから千葉県市川市高谷JCの区間。
現在工事を行い開通を目指している区間は練馬区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市、世田谷区の16キロ区間となっています。
■外環道を巡る経過
1966年・都市計画決定
1970年・根本建設相、外環道事業区間凍結発言
1987年・外環道路反対同盟、1000人集会
1994年・和光〜大泉間、延伸により関越道と接続
1998年・地下構造案に基づく自治体調整のため東京都が連絡会議設置
1999年・石原都知事、武蔵野市、練馬区現地視察。地下化案を基本と表明
2000年・大深度地下の公共的使用に関する特別措置法成立
2001年・扇国土交通相と石原都知事が三鷹市、武蔵野市の現地視察
2003年・地下40㍍以深の大深度地下とする方針公表
2005年・国と都「東京外かく環状道路(関越道〜東名間)についての考え方」公表
2007年・三鷹市議会、外環道計画受け入れの是非を問う住民投票条例案否決
2007年・関越道〜東名間が地下方式への都市計画変更決定
2008年・外環の2(武蔵野)訴訟提訴
2009年・整備計画決定。事業化
2009年・民主党政権誕生
2010年・道路区域一部決定
2011年・東日本大震災
2011年・2012年着工、2020年までに関越道〜東名間完成の方針表明
2012年・市民団体外環ネット、「外環予算を東北被災地復興へ」集会
2012年・東京外かく環状道路(関越道〜東名間)着工式
2013年・大深度地下使用認可申請、都市計画事業申請
2014年・外環道大深度地下使用認可を告示
2014年・都市計画事業承認および認可
2014年・東名JCT立坑工事現場で鉄筋40本落下、作業員3名が死傷
2015年・事業連絡調整会議「地中拡幅部は世界最大級の難工事」
2017年・シールドマシン発進式
2017年・地中拡幅部工事入札に関する談合疑惑について国会質問
2017年12月 東京外環道大深度地下使用認可無効確認等請求事件 提訴(東京地裁 平成29年(行ウ)572)
2018年・東名JCT周辺の野川から酸欠気泡発生
2018年・外環道三郷IC〜髙谷JCT間開通
2020年・東京都調布市東つつじケ丘にて住宅地陥没事故
2020年・NEXCO東日本が住宅地陥没事故は外環道工事が事故の要因と認める
2021年・事故を受けてシールドマシンによる掘削工事2年凍結
2022年・東京地方裁判所、一部工事区間の工事差止命令
2023年・東京都調布市の陥没事故現場付近の地盤補修工事に向けての家屋解体工事
2023年・8月 東京都調布市陥没事故現場付近の地盤補修工事着工
2024年・3月鹿島建設 外環道工事 住民の行動を不適切な表現で報告し、謝罪
参考文献:
令和2年(ヨ)第1542号 東京外環道気泡シールドトンネル工事差止仮処分命令申立事件
(東京地方裁判所)
■写真提供:
外環ネット
http://gaikan.sblo.jp/s/
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