2024.9.2
文京区民センター「強化される横田基地機能と日米軍事同盟 日米地位協定・日米合同委員会」
講師・吉田敏浩さん
吉田敏浩さんは
・『日米合同委員会の研究 謎の権力構造の正体に迫る』 創元社 2016年
・『横田空域 日米合同委員会でつくられた空の壁』 角川新書 2019年
・『日米戦争同盟 従米構造の真実と日米合同委員会』 河出書房新社 2019年
・『日米安保と砂川判決の黒い霧』 彩流社 2020年
・『追跡!謎の日米合同委員会』 毎日新聞出版 2021年
など、多数の日米合同委員会関連の著書をお持ちのジャーナリストです。
一般的には矢部宏治さんが有名ですが、吉田敏浩さんは、実際に国側に情報公開請求や内部文書などで、日米合同委員会の闇を広く暴いてこられた方です。
自分とは7/21にISF独立言論フォーラム主催で行われた公開シンポジウム「日米合同委員会の存在と対米従属からの脱却を問う」で初めてご挨拶させていただき、(以前から自分とJTの事は動画で知ってくださっていました)その後、羽村で行われた学習会で偶然お会いし挨拶し、8/25には私とJT主催の「日米合同委員会抗議街宣」にお越しくださり、ここ一ヶ月ちょっと間に何度もお会いしお話させていただいていました。
私は生まれも育ちも東京多摩地域です。
思い返すと、横田基地が東京にあるというのは当たり前として幼い頃から育っていました。
実家の直ぐ側には、今では味の素スタジアムがある土地、あそこは過去に米軍基地があり、自分はその当時は立ち入り禁止だった跡地を毎日のように見ながら育ちました。
だが、それは全然当たり前ではなかった。
学校でも、すぐそばにあった過去の米軍跡地はおろか、横田基地についてなぜあそこに米軍基地があり、あの基地はどんな基地なのか、などの事を教えられることなく育ちました。
この日の学習会は、その名の通り横田基地と在日米軍、日米地位協定と日米合同委員会を解き明かすとてもとても濃密な学習会でした。
とてもこの日の学習会の内容全てはここでは書ききれませんが、ここに一部を切り取って投稿します。
日米同盟、サンフランシスコ講和条約、日米安保条約、日米地位協定、そしてその日米地位協定をどう運用するかを協議する“奥の院”でもある日米合同委員会。
なぜ自分が、この日米合同委員会の抗議を行っているのかと言いますと、日米地位協定を改定するにはまず、日米合同委員会の議事録を開示させ、国民に広くこの密約体制を知ってもらい、日米合同委員会を廃止し、そして日米地位協定を改定、最終的には日米安保条約を破棄する為です。
まずは私たちの力で、ブラックボックスである日米合同委員会をぶっ壊しましょう!
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・横田基地、人口密集地の中の巨大基地
「横田基地とは東京西部にある東京ドーム約150個相当の広さで、司令部棟、管制塔、レーダー、弾薬庫などの各種施設が並び、在日米軍司令部、在日米空軍司令部が置かれている在日米軍の中枢である」
「横田基地は米国本土、ハワイ、グアム、日本、韓国などの米軍基地間で、兵員や武器弾薬物資を運ぶ中継拠点であり、核兵器も搭載できるB52戦略爆撃機も飛来し、非核三原則に反する核持ち込みの疑いも持たれる。米国大統領も横田基地から入国し、米国からみれば、国境などないと思っている」
「基地周辺の5市1町の人口は51万人を超える。首都に司令部まで置かれた巨大な外国軍基地。世界的にも異例」
・米軍優位の不平等な日米地位協定が、米軍の特権を認めている
「1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約、日米安保条約、日米行政協定(現地位協定)が発効、その後日米地位協定と改称。米軍側に多くの特権がある」
「日本のどこにでも基地が作れる全土基地方式や排他的管理権、米軍は出入国自由で、基地返還の際の補償の義務を負わない」
「米軍は環境汚染防止に後ろ向き。PFASなどの有害物質。日本側は排他的管理権を盾とする米軍の許可なしに立ち入り調査出来ない」
「米軍人・軍属の公務中の犯罪の第一次裁判権は米軍側にある。第二次裁判権は日本にあるが、今まで行使されたことはない」
「米軍という外国軍隊に主権が侵害され、憲法で保障された人権も侵害されている。こうした状態で日本は真の独立国といえるのか」
・特殊作戦部隊の訓練拠点、米国の世界戦略に組み込まれている基地
「オスプレイは沖縄の米陸軍トリイステーション基地のグリーンベレー、米海軍など特殊作戦部隊員が訓練に参加する。横田基地は特殊部隊の訓練拠点」
「特殊部隊は闇にまぎれて潜入する、危険な訓練を重ねている」
「米軍がオスプレイを配備するのはアジア太平洋からインド洋、中東までもにらんだ在日米軍基地の前方展開であり、日本の防衛に専念するものではない」
「横田基地の上空で機関銃の銃口を突き出しながらの訓練も行い、このような訓練は米国ではやっていない」
・事実上の米日統合司令部として運営されている同盟調整メカニズム
「横田基地では米軍と自衛隊が緊密に連携している」
「2015年の日米防衛協力のための指針による事実上の在日統合司令部として運用されているのが同盟調整メカニズムで、在日米軍司令部も深く関与している」
「横田基地は米日統合の司令部機能強化の場」
「日米防衛協力のための指針の内容を法制化したのが憲法違反の集団的自衛権の行使を容認した安保法制で、米軍の武力行使に集団的自衛権の行使となれば参戦することも可能にした。これは憲法9条に違反した違憲の法制度」
・自衛隊を事実上米軍の指揮下に置く日米軍事一体化・統合を進める狙い
「岸田政権は2022年12月16日に安保3文書を閣議決定した」
「長距離ミサイルの配備を中心とする敵基地・敵国攻撃能力の保有が柱」
「明らかに憲法違反であり、国会の議論抜きに閣議決定で覆した」
「5年間の軍事費を現行の1.5倍に増額」
「安保3文書は日米同盟の強化を謳っている」
「2024年4月の日米首脳会議では、自衛隊が事実上米軍の指揮下に入る日米指揮統制連携の強化を合意、自衛隊より各能力で格段に勝る米軍の指揮下に入るのは目に見えている」
「アメリカ追随の日本政府が有事に際し主権国家たる主体的判断ができるとは思えない」
「他国の軍隊の指揮下に自衛隊が組み込まれることは明らかに日本の主権が侵害されている」
・首都圏の空を覆う横田空域
「一都九県の空は米軍により支配されている。横田空域は軍事空域であり、日本の領空なのに日本の管制官が及ばない。空の主権を米軍によって侵害されており、一種の占領状態」
「1980年代に米軍が日本各地で低空訓練するようになり、地位協定に書いていないが、法的根拠は安保条約及び地位協定に基づいて米軍の駐留を認めているという一般的な事実、と政府は言い、米軍のニーズに合わせて追認するために安保条約、地位協定を拡大解釈。その後、日米合同委員会で合意」
◎横田空域や岩国空域に法的根拠はない
・日米合同委員会は米軍優位の日米地位協定を支える機関
「日米合同委員会とは地位協定の運用に関する協議機関で、日本の高級官僚と在日米軍高級軍人からなる。1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約、日米安保条約、日米行政協定の発効とともに発足」
「日本側代表は外務省北米局長、アメリカ側は在日米軍司令部副司令官(ジョージ.B.ラウル4世)」
「本会議の他に26の各種分科委員会や特別分科委員会などが置かれ、米国側の事務局は横田基地の在日米軍司令部に置かれる」
「日本側は全て官僚だが、アメリカ側は一人の大使館公使を除き全て軍人。国際協議として異例の組み合わせ、地位協定を前提にして協議する以上、アメリカ側に有利」
・密室協議のブラックボックス
「日米合同委員会の本会議は隔週木曜、ニューサンノー米軍センターと外務省の交互に開かれる。関係者以外は立ち入れない密室協議」
「議事録や合意文書は原則非公開」
「不開示理由は、日米合同委員会で日米双方の合意がない限り開示されないと合意し、公表すると日米間の信頼関係が損なわれ、米軍の安定的駐留と縁活な活動が阻害され、国の安全が害されるおそれ、があるから」
「日米双方の合意がない限り開示されない、とは地位協定に明記されていない。日米合同委員会でそう決めているだけ」
「日米合同委員会は米軍の特権を認める秘密の合意、密約を生み出してきた」
・日本の主権を侵害する日米合同委員会の密約
「民事裁判権密約」
「日本人武装警備員密約」
「裁判権放棄密約」
「身柄引き渡し密約」
「富士演習場優先使用権密約」
などなど、まだまだある
日米同盟とは、完全な主従関係である。
(報告: かい正康)
自治市民21
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