まちづくり環境委員会 
陳情 「種苗法について」 自・公・令・無所属が反対 不採択
  
<討論・採決>
▢反対討論 なし
▢賛成討論
陳情 「種苗法改定について」賛成討論
三鷹市議会・いのちが大事 嶋﨑英治
 日本の食料自給率は、1960年79%でした。以降、下がり続け、2018年度、自給率は37%落ち込みました。一方世界の時給率は、2013年の農林水産省のデータですが、カナダ264% オーストラリア223% アメリカ130% フランス127%というように軒並み100%を超え、ドイツは95%です。
 日本の食料自給率の低下は、相次ぐメガFTA(自由貿易協定)に大きな要因があると思いますが、FTAは、農家から農業経営への自信と展望を奪い、農業から撤退させ、且つ農業の担い手をなくしているのではないでしょうか。今や日本の農業は存亡の危機にあると言っても過言ではないと思います。
 農水省が5年毎に公表している「日本農業センサス」によれば、21世紀になって18年間で実に112万戸の農家が減少しました。2000年に312万戸だった農家が、2015年には、215万戸になりました。2018年度農業白書によれば、200万戸になっています。つまり、年平均6.3万戸以上の農家が消えていることになります。この間に、農業就業者が180万人減少しました。毎年12万人以上の農業就業者が離農・廃業・リタイアしている状況にあります。農業就業者の平均年齢は間もなく70歳に達すると言われ、5年もすればリタイアせざるを得ない年齢だと思います。後継者不足は深刻になります。
 さらに、今回の種苗法の改定がなされると、日本の農業衰退及び食料自給率の低下に、拍車がかかることは必至です。なぜならば、これまでは登録品種であっても種苗を購入すれば次作以降、自由に自家増殖(採種)できたものが、これからは一律に禁止になります。育種権利者から毎年対価を払って許諾を得るか、全ての種苗を購入しなければならなくなります。違反したら10年以下の懲役1000万以下の罰金、農業生産法人など法人は、3億円以下の罰金が科せられます。
 本陳情の趣旨に記述されている。「非登録品種は引き続き自家増殖できるとのことでしたが、種子法廃止の2018年4月の翌月には、自家増殖『原則容認』から『原則禁止』に180度転換する方針がされた」とあります。種苗法改定でも同じことが繰り返されるのではないかと懸念します。
 日本で栽培されている野菜の 90%はすでに登録品種化され、 F 1になり海外でモンサントなどの多国籍企業によって生産されています。また、いちご、サツマイモ、沖縄などのサトウキビ、ことに果樹農家は苗木を1本購入して接木、剪定枝の挿し木などで増殖させて来ましたから影響は深刻です。
 三鷹市の農家・農業を守り、市民の食の安全を守るためにも、本陳情が求めている。「種苗法改定」の取り下げ及び東京都条例による育種知見・知的財産権の民間企業への提供を規制することが必要です。また、食料自主権・食糧安全保障確立の観点から、本陳情に賛成します。 
★採決結果 賛成2(嶋﨑 小幡)反対4(土屋 伊藤 半田 粕谷)……賛成少数・不採択
注:賛成討論のみで、反対討論がなっかったので、「委員長報告書」には、「賛成討論」は載りません。
【委員会構成】大城美幸(委員長・日本共産党) 嶋﨑英治(副委員長・いのちが大事) 粕谷稔(公明党) 半田伸明(無所属) 小幡和仁(民主緑風会) 土屋けんいち(令和山桜会) 伊藤俊明(自由民主クラブ)