PFAS(ピーファス)とは?

 

最近、報道でよく目にするようになった有機フッ素化合物。有機フッ素化合物は、極めて分解されにくい特性を持ち「永遠の化学物質」とも呼ばれています。約4,730種類以上あると言われている有機フッ素化合物の総称がPFAS(ピーファス)です。その中で特に毒性が強いとされているのが、PFOA(ピーフォア)PFOS(ピーフォス)PFHxS(ピーエフヘクスエス)です。これら3種は国連のストックホルム条約の規制物質に指定されています。

これらの物質が人体に及ぼす影響は、母胎が体内にPFASを含んだ場合の低体重出産、子宮内の暴露による胎児の免疫系損傷、乳幼児の感染症抵抗力の減少など子どもの成長に悪影響を与える恐れのほか、発がん性、ヒトの血液、免疫系、肝臓、腎臓などの障害と関連付けられています。

 

国際的なPFAS規制の流れ

 

 数十年間公表されてこなかったPFASの危険性と多くの被害がようやく公になった後の2000年、主要製造元の一社であった米国の3M社が製造中止を発表しました。

2006年、米国環境保護庁(EPA)が、PFASの主要製造元8社に対し、2010年までにPFOA排出量を自主的に2000年の排出量から95%削減するよう要請、さらに2015年までにすべてのPFOAの使用および排出を自主的に終了するよう企業に要請しました。

2009年、ストックホルム条約(POPs条約)の規制で新規製造および使用が制限、禁止されました。

2022年、米国EPAが新たなガイドラインを発表、それまでの基準値の17分の1となる新しい基準値を定めました。(EUの規制基準は米国の旧基準の20倍以上)

20231月、ドイツ・オランダ・デンマーク・スウェーデン・ノルウェー5カ国がECHA(欧州化学品庁)PFASを規制し企業に代替物質の確保を命じる草案を提出しました。

 

日本の状況

 

日本ではすでに1975年ごろから人体への曝露があったとされています。2002年には、小泉昭夫京都大学医学研究科名誉教授らが、全国の97河川および16湾岸の調査をしました。その結果、東京の多摩川や兵庫の猪名川で汚染が確認されました。調査結果が公表されましたが、国や行政の動きはありませんでした。その後も日本各地で高濃度のPFAS汚染が確認されています。

 

2016年には、上流に米国空軍嘉手納基地がある沖縄の河川などで汚染が確認されました。この汚染の影響は取水源や基地に留まらず、およそ45万人におよぶとみられていました。

2012年には、神奈川県横須賀市の米国空軍基地で3000もの泡消化剤(泡消化剤はPFASを含有していました)を土中に流した事件が起きています。同様の事件は、山口県米国海兵隊岩国基地、神奈川県米国海軍厚木基地、青森県米国空軍三沢基地でも起きています。

 

東京都福生市の横田基地では、201012年に高濃度のPFASを含む泡消火剤が大量漏出しました。以降、国際的な規制の流れを受け、米軍はPFASを「含有しない」とされる代替品への置き換えを進めてきたとしていました。

 

ところが、東京新聞の政府関係者などへの取材で、20231月に横田基地から泡消火剤約760リットルが漏出していたことが判明、そして「この消火剤はPFASの国際的な規制を受け米軍が導入を進めてきた代替品だったが、PFASの一種であるPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)が高濃度で検出された。」と報道されています。

 

(米軍横田基地で1月にも高濃度PFAS漏出事故があったと判明 泡消火剤に汚染された水760リットルが

https://www.tokyo-np.co.jp/article/28979 )

 

<三鷹の状況>

 

横田基地から出たPFASは、地下水を通り多摩地域の水を汚染していると言われ、近隣の国立市や国分寺市、府中市、調布市などから国が定める暫定目標値である1あたり50ng(ナノグラム)を大きく超え検出されています。

 

三鷹市の状況ですが、2022年(令和4年度)に東京都が実施した地下水概況調査の結果では、PFOAPFOS合算の濃度で41ngPFHxS25ng、と発表されています。

 

市民の命と健康を守る事を第一優先に、国や東京都、三鷹市に対して市民の血液検査と、米国並みの基準値引き下げ(PFOA.PFOS合算で8ng)、汚染源として強く疑われている米軍横田基地への立ち入り調査などを求めます。

 

<三鷹市の状況>

 

令和5年度 東京都が実施したPFOS及びPFOAPFHxの給水栓(蛇口)の水質検査結果 

 

上連雀給水所PFOS及びPFOAの合計(暫定目標値、合算で50ng/L)5ng/L未満 

 

三鷹新川給水所PFOS及びPFOAの合計 5ng/L未満 

 

上連雀給水所PFHxS(暫定目標値なし) 5ng/L未満 

 

三鷹新川給水所PFHxS 5ng/L未満 

 

令和4年度 東京都が実施した地下水概況調査(三鷹市 詳細地点不明) 

 

913日 PFOS及びPFOAの合計 41ng/L 

 

913日 PFHxS 25ng/L 

 

■20239月議会での三鷹市議会議員 野村羊子議員、前田まい議員の一般質問に対する行政側の答弁

 

・水源井戸の検査は3年に1 

 

・最新検査は令和3年度で数値は下記の通り   

上連雀給水所野崎2号水源 PFOS及びPFOAの合計 13ng/L   

 

上連雀給水所野崎2号水源 PFHxS 14ng/L  

 

新川給水所三鷹中原2号水源 PFOS及びPFOAの合計 5ng/L   

 

新川給水所三鷹中原2号水源 PFHxS 検出されず。   

 

新川給水所牟礼3号水源 (工事で停止していたため令和4年度に調査)

PFOS及びPFOAの合計 49ng/L              

PFHxS 11ng/L

 

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