2013.6.25 給付型奨学金制度の創設を求める意見書  


三鷹市議会賛成全員で可決 


 日本国憲法第26条は、全ての国民に「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利」を保障しており、教育基本法第4条は、「経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない」と規定している。

 

 日本を除くOECD(経済協力開発機構)の加盟国33カ国のうち、大学の授業料が無償の国は17カ国あり、残りの16カ国でも給付型の奨学金が制度化されている。日本においては、国立大学の初年度納付金の標準額が817,800円と高額の上、国による給付型の奨学金がなく、貸与型のみである。そのうち有利子奨学金が約4分の3を占めており、教員・公務員になった場合の免除制度は既に廃止されている。近年は全国の大学生のおよそ半分が奨学金を借りている現状がある。

 

 就職難や低賃金の不安定・非正規雇用が広がる日本の社会経済状況のもと、高金利の貸与型奨学金の返済を遅延すれば「ブラックリスト」化され、卒業後の人生にも大きな支障を来す結果となっている。貸与型奨学金を利用しない理由として「将来の返済が不安」と答えた学生が3分の1に上っているという統計もある。したがって、従来の貸与型奨学金に限らず奨学金制度の拡充が求められている。

 

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、現行の貸与型奨学金制度の金利引き下げを図り、経済的に苦しい立場にあり、真に学ぶ意欲のある高校生・大学生に対しては、一定の条件のもと、給付型奨学金を早急に創設されるよう強く求めるものである。

上記、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。


2013625


起草・提出:嶋﨑英治(しまざき英治)