2023.9.12() 三鷹市議会 まちづくり環境委員会  

提出者 甲斐正康

 

 

5請願第2号 

 

2024年問題によるトラックドライバーのさらなる処遇改善のため、貨物自動車限定の高速道路料金負担の見直しを求める意見書の提出を求めることについて

 

請願要旨

 

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下、働き方改革関連法)は、労働者がそれぞれの状況に合わせて柔軟に働き方を選べる社会の実現を目的にして、2018年に成立し、20194月以降順次施行される。

その中で物流業界は以前より物流業界での課題であった、トラックドライバーの長時間労働の改善を目指し、自動車運転業務の年間の時間外労働時間上限が1,176時間から、202441日以降は960時間になる。

しかし、次のような課題が懸念されており、これを「2024年問題」と呼ぶ。

日夜、荷物の移動で生活を支える物流、運送業界は業務の特性上、長時間労働が常態化しやすい業種だったが2024年以降、時間外労働の上限規制が適用される為、改正前より制限される。

物流、運送業界で勤務するドライバーは、時間外手当を受け取っているケースが多いので、法が施行されれば稼働時間が減り、その分賃金も減少する。

賃金が減少すれば、その理由によりトラックドライバーの離職率が高まり、トラックドライバーが不足する。

もう一つは時間外労働規制が始まると時間内で輸送が追いつかなくなる。

現在はトラックドライバーの長時間労働により国内輸送は支えられているが、運行上、荷主の都合により荷待ち時間が発生したり、積込みや荷卸しで作業時間が長時間となる。その中でも長距離での運行が業務上、避けられない場合があり、時間外労働規制によりドライバーの労働時間が規制されると全国に荷物が届かなくなる。

野村総合研究所によれば2030年時点で全国で35%の荷物が運べなくなると発表されている。

物流とは、日本の経済を支える血管であり、トラックドライバーが減少するということは、物流が滞るということであり、大きな社会問題に発展する。

以上の問題を解決するには流通コストの低減、労働環境改善の為、より高速道路の活用が必要であると考える。

しかし物流業界では運ぶ側が高速料金を負担することが前提となっているため、運送会社やトラックドライバーはコスト削減のため高速道路を利用するのを極力控える傾向にあるのが現状である。

マスコミなどで報道される機会の多い深夜の高速道路料金所での渋滞の問題は、深夜の高速道路割引料金を活用するためであり、結果的に運転手が睡眠時間を削り、長時間労働となる。

物流業界の2024年問題の時間外労働対策と社会インフラを担うトラックドライバーの処遇改善には、高速道路料金の負担軽減は必要である。

よって以下の請願を提出する。

 

請願事項

 

貨物自動車限定の高速道路料金の無料化を求める意見書の提出

 

 

上記を三鷹市議会から国に対して意見書の提出を求めるよう本請願を提出する。

 

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まちづくり環境委員会・構成

土屋健一(委員長/自民クラブ)

小幡和仁(副委員長/民主緑風会)

吉田政利(自民クラブ)

佐々木和代(公明党)

山田里美(都民ファーストの会)

紫野明日香(日本共産党)

半田伸明(無所属)

 

【採決結果】

賛成2(小幡、※紫野)

反対3(吉田、佐々木、※山田)

賛成少数 否決・不採択

注:※は討論を行った委員

 半田委員は、一身上の事情により委員会を欠席

 

自民クラブ・吉田政利委員、公明党・佐々木和代委員、討論なく反対