本日2022年10月26日、東京都練馬区にある「東日本高速道路（株）関東支社東京外環工事事務所(NEXCO東日本)」に対し、陥没事故がおこり、陥没以外にも空洞、騒音、低周波音などの被害が続出した調布市つつじヶ丘付近にお住まいの藤原奈津子さんと共に文書を提出いたしました。

 

藤原さんは、今後予定される外環道工事再開に先立ち事故が起きた調布市つつじヶ丘界隈でNEXCOが始めようとしている地盤補修工事について「具体的な事故の再発防止策が未提示である中、住民の同意を得ずに勝手に地盤補修工事を行うこと許されない」という当たり前の要望を、そして私は「20年実際に日々ハンドルを握り、関東中を走り回るトラック運転手の立場として、NEXCOや国交省が提示している道路開通目的、『首都圏の渋滞緩和』は外環道が開通したとしてもそんな事は有り得ない」という事を365日24時間日本全国に交通情報を配信しているNEXCOにお伝えしに伺いました。

 

本日はマスコミの方も取材として現地に同行してくださいました。

 

まず、私、連れ合い、藤原さん、マスコミの方々が驚いたのが、彼らNEXCO側の対応。

 

実際に事故が起きた調布市つつじヶ丘付近の住民として、今回の事故の当事者として今回NEXCOに伺った藤原さんや、今後この道路が通る三鷹市民の私が行ったのにも関わらず、NEXCOは部屋も用意せずにエントランスで対応するとのこと。

 

このような一般的に見れば不誠実と思われる対応こそが、今回の陥没事故の肝です。

 

「そもそもの法律の大前提である、大深度法が『地上に影響が出ることはない』としながらも、実際に影響がおき、今回このような事故が起きた。それに対して誠実な対応が見られず、裁判所からも再発防止の根拠が見られない、と言われながらも本当にこの先このような工事を行っていいのか」

 

私や藤原さんが先方にお伝えしたかったことは、最終的にはこういう事なのではないか。

自分や藤原さんだけではない、地域住民やこの工事の酷さを知っている方は、皆このように思うのではないでしょうか。

 

この工事の本質的な事を知らない方も、この工事の本質を知ったならば、皆驚くのではないのでしょうか。

 

「大深度地下(地上より40㍍以深)は地上に影響が出ることはないから、その地上に住む土地の地権者に事前の承諾も了解も得ずに、勝手にその地下を掘ってもいい」

 

これがこの工事の本質なんです。

 

そもそも憲法29条違反のこの法律。

憲法29条ではこう記されています。

 

第二十九条　

1.財産権は、これを侵してはならない。

2.財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

3.私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる

 

明らかに財産権を侵害しているこの工事。

しかも工事事業者であるNEXCOは、被害住民を分断し、傷付け、一生に一回の想いで購入した夢のマイホームの地下を勝手に掘り、振動や騒音を発生させ、挙句の果てには陥没事故。

 

藤原さんは最後に担当者として今回の訪問に対応してくれた副所長のコウダさんにこうおっしゃいました。

 

「この工事以外に何も問題のない我が家を、貴方は購入する事は出来ますか？」と。

 

副所長のコウダさんはこう答えました。

 

「個別の質問には答えられない」　　

 

人として、人間として、心があるのならば、彼らも本当は心を痛めているはず。

この工事の本質を知ったのならば、誰しもが「それは酷い」となるはず。

そしてそもそもこの道路が開通したとしても、彼らが謳っているような「都心部の渋滞緩和」はしません。

 

ならば一体、何のための、誰のための工事なのでしょうか。

 

藤原さんが提出した要望書の回答期限は二週間。

私が提出した要請書の回答期限は11月7日

 

そもそも事故の一ヶ月前に自宅付近の振動や騒音に対する要請書を提出した方々がいたのにも関わらず、その要請書の存在を無視し、挙げ句その一ヶ月後に今回の事故が起きました。

 

彼らは自分と藤原さんの文書に回答することはあるのでしょうか。

 

ここまで来て、彼らは相変わらず住民無視で地盤補修工事や外環道開通に向けて、本当に工事を強行するのか。

 

そんな事は絶対に許されません。

 

憲法違反、法律違反、人権無視のこの工事をこのまま黙って強行させる訳にはいかないのです。

 

(報告: 甲斐まさやす)