抗議文
2024年7月10日の東京新聞朝刊に、横田漏出「非公表」日米で合意、との記事が紙面を飾った。
米軍横田基地で昨年一月に発生した高濃度の有機フッ素化合物PFASを含む汚染水の漏出事故について、日米両政府が非公表とする方針で今年6月に行われた日米合同委員会にて合意した、との報道であった。
米側は事故が報道で表沙汰になった経緯を問題視し、「不正に入手された情報に、公式に情報を出すのは間違っている」と理由を説明し、日本政府側は受け入れたという。
この報道が正しければ、基地内のショッピングモール物販搬入店入口で発生した事故は、地下水や河川の国内暫定目標値の5万3千倍にあたる高濃度のPFASが含まれた汚染水約760リットルが漏出したとされるが、米軍側は「基地外への流出はなかった」と防衛省に説明したとされる。
だが現在明らかになっている時点で2010年1月から連続して起きているPFAS漏出事故について、米軍側は一方的な説明のみでもはや全く信用するに足りず、事故を一方的に起こした米軍横田基地へのPFAS汚染源の特定の立ち入り調査を行うべきという国民世論が湧き上がって当然である。
PFAS汚染源の特定が一向に進まないのは、日本側の弱腰外交に原因の一端があるのは間違いなく、この是正について日本政府は一刻も早く動くことを期待するが、戦後79年たちながらも、長年この国の政権与党の自民党政権に全くその動きが見られないこと、そして自民党政権は戦後CIAからの資金提供を受けていたことが明らかになっている状況から見ても、我々国民が率先して動くしかない、と今回行動を起こした。
「フォーエバー・ケミカル」有機フッ素化合物PFASは、土壌や大気や海洋を汚染し、川や湖を汚染し、私たちの飲み水を汚染している。
米国では、人口の99%に相当する人々の血液からPFASが検出され、数百カ所の米軍基地と、人口の三分の一に相当する人々の飲み水が汚染されている。
ごく僅かな量でもPFASは深刻な健康被害につながる恐れがある。
胃がん、精巣がん、甲状腺や肝機能の障害、男女の生殖能力の低下、子どもは成人よりも曝露しやすく、子宮の中で母から胎児に、また、母乳を介してPFASは受け渡され、子どもの健康問題には、低出産体重や免疫力の低下などが挙げられる。
米軍の母国である米国では、2018年に環境保護庁EPA長官が、PFAS汚染は「国家的危機」と宣言し、2024年4月10日に規制値4ナノグラム、この規制値で一億人もの米国人を守ることに繋がるとの声明を発表した。
その他にもPFASを放出した場合に調査や浄化、浄化費用の負担や、PFASが含まれる日用品の販売が段階的に禁止されることも発表されている。
そして我々日本国民の米軍に対する感情の高まりは、昨年から今年にかけ、沖縄県内で起きた5件の米兵による性的暴行事件がある。
沖縄県には在日米軍専用施設の70.3%が集中し、必然的に在日米軍の事件や事故も沖縄県に集中する。
米軍兵士による性暴力事件が相次いで発覚したことを受け、沖縄県議会では具体的で実効性のある再発防止策や軍関係者による事故の迅速な通報を求める抗議決議などを全会一致で可決。
繰り返される米軍兵士の愚行は、市民、県民の生存権を脅かすと共に人間の尊厳を蹂躙する極めて悪質な犯罪であり、法と正義に照らしても断じて許されない行為である。
沖縄県民の方々に対する長年の行い、そして沖縄県以外でも今回のPFASに対する対応など、米軍の日本国民に対する行いは、日米地位協定や日米合同委員会による日本と米軍の属国的な関係がそもそもの問題の根本にあるのは間違いなく、我々心ある日本国民は、これ以上の米軍関係者による犯罪、環境汚染、生存権の侵害を野放しにしておくことは到底できず、今回を始めとする一連の抗議に至った。
PFAS汚染の問題、沖縄県民に対する性暴力事件などは、決してその土地に住む人々だけの問題ではなく、日本の主権の問題なのである。
よって我々は、改めて日米合同委員会の廃止、過去行われた日米合同委員会の議事録の開示、国民不在の中取り決められた日米合同委員会での密約の白紙撤回を、在日米軍司令部副司令官、ジョージ.B.ラウル四世に要求する。
2024年7月11日
在日米軍司令部副司令官 ジョージ.B.ラウル四世
甲斐正康 #みちばた 新社会党市民運動委員長
自治市民21
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