2013.9.2 学問の自由と奨学金制度について

給付型奨学金についての一般質問 

嶋﨑英治


 【嶋﨑英治】 
Q、学生の奨学金をめぐる状況について、どのような認識をお持ちでしょうか。教育長にお尋ねします。


Q、利子つき奨学金がもたらしている若者や市民への影響をどのように認識していますか。教育長にお尋ねいたします。


教育長 それでは、私のほうから奨学金制度につきまして、学生の奨学金をめぐる状況、利子つき奨学金の若者や市民への影響への認識ということでまとめてお答えをいたします。

 義務教育修了後の若者に対する教育支援制度としましての奨学金についてでございますけれども、国や自治体、大学などさまざまな奨学金制度がございますけれども、規模的にはですね、貸与型、有利子型の奨学金が多いと、そういう状況だというふうに認識しております。そうした中、返済を考えると、借りたくても借りられない方、あるいは奨学金の受給者が就職後に経済的事情によりまして返済が困難となり信用調査上の影響が生じるなど、社会生活に影響を与える事例が新聞等で報道されているということも承知しております。教育的な観点からいたしますと、この奨学金制度につきましては、義務教育修了後のですね、高等教育の機会を提供するための大切な制度というふうに捉えているところでございます。

 現在の状況につきましては、国において、子どもの貧困対策の推進に関する法律の成立などを踏まえまして、経済的事情による教育格差や貧困の連鎖を生まないため、利子の引き下げですとか、あるいは給付型の奨学金などの検討を国も始めているところでございますので、早期に実現を図るべきものというふうに考えているところでございます。

 以上です。


【再質問・嶋﨑英治】教育長がね、答弁で言ったように、国のほうはいろんな意見を踏まえて、利子の引き下げや、あるいは給付型の奨学金の創設を進められているようですが、ぜひですね、今、日本の学生の5割が実は奨学金を借りていて、その75%以上が利子つきだと。しかも、現実はまだ10%ですよね。住宅ローンでも3.幾つじゃないですかね。これは私、この問題に取り組んで初めて知って、ぞっとしたんですよ。私たちの生きる年はもう限られています。未来を担う若者、学生たちが10%の利息。私のところにあったのはですね、70歳の女性でした。その子の親がわりに、孫がかわって返しているということでね、返すまで18年かかる。私はそこまで生きていられるかどうか。88になっちゃいますからね。心配だと。引き続き返してはいきますけども、どうなっちゃっているんだろうということが1つありました。

 

それから、若者です。今、非正規雇用がたくさんになってしまいましたから、非正規雇用同士が結婚するというのは、そう珍しいことではなくなっちゃったんですよね。実は僕は750万ほどある。いや、私も。2人合わせて1,500万。返したくても返せない。結婚というとね、バラ色の人生というかね、みんなで祝福されていくんですけど、出発時点で1,500万の負債を抱えているということはね、バラ色どころじゃないですよね。マイホームはもちろん、子どもを産むことさえということですよね。いろんな市の相談の中でも、あるいは税金の滞納なんかでもそうだと思います。なぜ税金を滞納しちゃうのか、国民健康保険を滞納しちゃうのかというふうに思ったらね、実はこの奨学金の返済が大変なんだと。本当に大変だと思いますよ、利息からどんどんいって、元金はちっとも減らないという仕掛けになっていますからね。

 

 そこで、こういう相談もありました。実は自分が連帯保証人になったつもりはない。日本学生支援機構からアンケートという形で書類が送られてくるんですね。私のところに──そのおじさんに当たるそうですけれども、私の家に訪ねてきました。遠く九州にいる人なんですけれども、嶋崎さん、これ、判こを押しちゃったら、私がかわって返さなきゃなりませんよね、この書類はと。こういうことでした。確かにそうです。ですから、法的な判断が必要でしたから、弁護士さんのほうに連絡して、そしてしかるべき対応。そうすると、あんまりやるとですね、めいが勝手に自分押しちゃったということにもなるから、大変慎重にやらなきゃいけない。そのことも含めて弁護士さんと相談して、日本学生支援機構とやったらいかがですかというふうにしました。ぜひですね、教育委員会でそういったことの相談というか、そういうことも受けられるような体制というのはできないものなんでしょうかね。例えば教育総合相談室って、今、なっていましたっけ。そこなどでいかがでしょうか。


教育長(高部明夫君)  奨学金の滞納状況というのは非常に深刻だというふうには受けとめております。33万人、870億を超える負債ということでございます。支援機構自体のですね、運営方法もあろうかと思います。そういったいろんな御相談についてはですね、なかなか義務教育を卒業されますと、直接教育委員会というのはなかなか難しいかもしれませんけれども、やはり困窮対策、福祉的な視点も含めてですね、市長部局と連携しながら、そういう御相談があれば対応していきたいというふうに考えております。


(嶋崎英治君)  それはそうですね。市長のほうに直接質問していませんから、教育ということの観点の中から、今回の質問にとどめています。可能な限り、市長部局との連携の中で相談をやっていただければというふうに思うんです。教育の機会均等と言いながらね、実は均等じゃないという感じを受けているわけですよ。それは何かといえば、国立大学に仮に受かったとしても、初年度納付金というのが82万円ぐらいになるのかな。たしかね。それで次年度から54万くらいということですから、私が学生時代のときには、たしか国立大学では月1,200円だったというような気がするんですね。それで私は夜間大学ですから、日本育英会から3,000円、で、月謝と言われているものが6,000円でしたから、本当に助かりましたよ。三鷹市役所に就職して、全額すぐ返しました。しかし、今は利子つきのということですからね、しかも、初年度に八十何万円納めるというのは、年収200万、300万の人たちが多い中で、これ、どうしようもないですよね。だから、自分で育英会の利子つきを借りて大学に行くと、こういう事態だというふうに思います。ですから、お金があろうがなかろうがですね、そうした、何というんでしょうか、勉強できるということは、これからの日本をしょって立つ皆さんですから、大切なことだと思います。

 

 教育委員長になられた方がね、国のほうのそういう機関にもいらっしゃるから、そういったことも含めてですね、三鷹には国際基督教大学ほか幾つかの大学があって、今度は杏林大学病院も三鷹に来るということで、そこに住まわれる若者たちがそういう事態というのは本当に大変なことだと思いますから、国のほうにさらにですね、早期に給付型、そして利子の引き下げ、あるいは廃止ですね。いうようなことで何らかの機会を通じて教育長にも奮闘していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。


◯教育長(高部明夫君)  広く若者のですね、人材育成ということで、そういった経済的な状況によらない人材発掘、人材育成が必要ですので、教育的な観点からもですね、機会を捉えてそういった奨学金制度の見直しについて発言をしていきたいというふうに考えます。


議長  以上で嶋崎英治君の質問を終わります。